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日本とマレーシアをカルチャーで結ぶ:日本文化・体験型展示イベントinクアラルンプール

会場を彩るのは、高精細の4K映像や物体に依存しない空間アート、インスタレーション。子供も大人もワクワクする空間が広がっている

メイド・イン・ジャパンの商品や日本独自のカルチャーを発信する「ISETAN The Japan Store」。 その3階にある「CUBE_1」と名付けられたイベントスペースが、今、マレーシアで注目を集めています!

マレーシアのクアラルンプールで、世界でもあまり例をみない、日本発の体験型展示イベントが開催されているのをご存じでしょうか。2016年10月、写真家の蜷川実花氏による京都を舞台にした写真展「trans-kyoto」を皮切りに、研究者でありメディアアーティストでもある落合陽一氏の世界初の個展、日本のお花見を疑似体験できる和食イベントなど、さまざまな角度から日本の文化を紹介。およそ2ヶ月ごとにテーマを変え、この1年間で6つもの展示イベントを実現。とくに、子ども向けの日本独自の知育プログラム体験イベントでは、のべ数千人以上のファミリーが来場し、身体をつかって学ぶワークショップには長い列ができました。

このプロジェクトを手がけているのは、明治9年創業の日本の大手企業、大日本印刷(DNP)。長年取り組んでいる「見えない文化をカタチにして後世に受け継ぐ」という事業のひとつとして、数年前から先鋭達によるチームを結成。「マレーシアという多様な民族が暮らす国で、私たちが考える日本の文化がどのように受け入れられるのか。これは会社としても新しい挑戦です」とチームを率いる木藤聖直さん(ABセンター/大日本印刷)は語ります。各展示の準備期間は、すくなくとも半年以上かけ、企画の立案からイベントの実施運営、さらには日本からアーティストを招いてのワークショップなどもすべて自分たちで担当。現地の市場調査やPRは、現地と連携を図りながらプロジェクト内容によって戦略を変えています。「私たちが伝えたいのは、日本文化の多様性とその魅力です。じっくり体験していただければ、2倍にも3倍にも日本のよさが感じられると思います」と木藤さん。また、日本の文化を理解してもらうためにはマレーシアの文化を知る必要があると考え、現地のパートナーとの関係を密にし、マレーシア人のスタッフも積極的に採用。日本のやり方を押し付けるのではなく、いかに現地の人に受け入れてもらえるか。その細やかな配慮が、マレーシア人の心をとらえているのです。ゆくゆくは、日本とマレーシアの双方向をつなぐ“場”としての“メディア”に育てていくとのこと。

この展示イベントは、ブキビンタンの「LOT10」内「ISETAN The Japan Store」にて常時開催。これからも他では見られない展示イベントを続々開催予定とのことなので、ぜひお見逃しなく。

「CUBE_1」

3F THE CUBE, ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur, LOT10, 50 Jalan Sultan Ismail 50250 Kuala Lumpur, Malaysia
時間:11:00 ~ 21:00 (LGF to 3F)
電話:(+60)3-2141 7777

Facebook:Cube1kl
Instagram:cube1kl


2016年10月〜 2017年8月までに 開催したイベント:

1 蜷川実花氏の京都をテーマにした写真展
2 落合陽一氏によるデジタルネーチャー体験
3 和食をテーマにした体験型展示イベント
4 遊びと学びを育む体験型知育イベント
5 縄文文化と現代アートの融合展


[この記事はWAU No.13(2017年9月号)から転載しています。]

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