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データでひもとく日馬友好の歴史

2017年、日本とマレーシアは 外交関係樹立60周年を 迎えました。この機会に、 より深い相互理解ができるよう、 それぞれのライフスタイルの比較、 また日本とマレーシアの 友好の歴史をまとめました。

カルチャー比較

著名な映画俳優:P.ラムリー
1950~60年代に活躍した国民的スター。歌手、演奏家、俳優、映画監督とマルチな顔を持つ。彼の主演した映画は、現在でもよくテレビ放映されている。日本:石原裕次郎 ほか

ハリウッドで活躍する俳優:ミシェル・ヨー
「007」のボンドガールでハリウッドデビュー。「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」では主役のアウンサンスーチー氏を演じた。ペラ州のイポー出身。日本:渡辺謙 ほか

国民的歌手:シティ・ヌルハリザ
国内外で多数の賞を受賞し、CD売上400万枚の実力派。2013年にはアジア各国の歌手を日本に招いたNHK音楽祭で来日。抜群の歌唱力を披露した。日本:美空ひばり ほか

超高層建築物:ペトロナスツインタワー452メートル
2つのタワーが並んで立つ、クアラルンプールのシンボル的存在。86階の展望フロアはまるで空中散歩。タワー1は日本の建設会社が建設。日本:スカイツリー 634メートル

人気のカフェチェーン:オールドタウン
国内200店以上を展開する大型カフェチェーン。クーラーのきいたお洒落空間でローカル料理を提供しているのが特徴。空港、ショッピングモールには必ずある。日本:ドトール ほか

朝ごはん:ナシレマッ
ココナッツミルクで炊いたごはんに、甘辛のサンバルソースを混ぜて食べる。きゅうり、卵、ピーナッツ、煮干しといったシンプルなおかず付き。日本:味噌汁とごはん

人気のスポーツ:バドミントン
休日や仕事帰りに体育館に集まり、バドミントンを楽しむ人が多い。リー・チョンウェイは、マレーシアの男子バトミントン選手で、北京オリンピックの銀メダリスト。日本:野球

言語:国語はマレー語。英語もよく話す
国語はマレー語で、英語もよく通じる。また、華人系は中国語(北京語、広東語など)、インド系はタミル語など、複数の言語が話せるマルチリンガルが多い。日本:日本語

民族衣装:バジュクロン、チャイナドレス、サリーなど
祭事で着る伝統衣装は、民族ごとに異なる。たとえばマレー系の女性は、長袖の上着と丈の長いスカートを組み合わせたバジュクロン、男性はバジュ・ムラユなど。日本:着物

伝統舞踊:マヨン
おもにクランタン州で演じられてきた舞踊劇。口承の物語、踊り、音楽、演劇の要素を組み合わせた総合芸術。日本:日本舞踊

携帯キャリア:Maxis、Digi、Celcom、U Mobile
2013年にMaxis(マクシス)が国内初のLTEサービスを開始。個人宅でのネット設備が普及していなかったため、スマホ利用者は急速に増えた。日本:NTTドコモ、au、ソフトバンク ほか

テレビ:政府系2局、民放系4局
多民族ならではの言語が異なるチャンネル構成。ケーブルテレビはアストロ社が運用。日本:NHK、日本テレビ、テレビ朝日、フジテレビ、TBS、テレビ東京 ほか

セレブ御用達の靴ブランド:ジミーチュウ
海外ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」で一世風靡。マレーシア人の靴職人であるジミーチュウとイギリスの会社が共同創始したブランド。銀座にも路面店あり。日本:DIANA ほか


日本マレーシア外交関係年表

1957年|マラヤ連邦(現マレーシア)がイギリスより独立、日本との外交関係樹立

1977年|クアラルンプール日本人会主催で、 第1回盆踊り大会が開催

盆踊り大会:1977年より毎年開催され、2017年に第41回開催を迎えた。2017年は、浴衣に身を包んだマレーシア人や日本人など約3万5000人が参加し、世界最大規模といわれている。

1982年|東方政策(Look East Policy)開始

東方政策(Look Ease Policy / ルックイースト政策):1981年、当時のマハティール首相が、日本や韓国の労働倫理や集団主義、道徳、経営哲学などに学び、マレーシアの発展を促進させようと提唱した政策。この政策のもと、今日までに約1万6000人のマレーシア人が留学生や研修生として日本に派遣されてきた。

1983年|マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)創設。マレーシアの国産車メーカー、プロトン社設立 (設立当初は三菱自動車が技術提携)

JACTIM:日系企業の利益擁護及び会員相互の親睦を図りつつ、貿易、商業、産業及び貿易活動等を通じ、日本とマレーシアの経済発展を促進することを目的とした組織。2017年1月末の会員数604社。2016年12月時点のマレーシア進出の日系企業は1,396社(製造業712社、非製造業684社)。2016年10月1日現在、在留邦人は2万3,693人。

1998年|ペトロナス ツインタワー Petronas Twin Towers 建築。黒川紀章氏の設計による クアラルンプール国際空港(KLIA)が開港。

ペトロナスツインタワー:日本の建設会社ハザマがタワー1を、韓国のサムスン物産建設部門がタワー2を施工。

2002年|マレーシア長期滞在ビザMM2H (マレーシア・マイセカンドホーム)スタート

MM2H:経済面での申請条件をクリアすればマレーシアに最長10年間滞在が可能な長期滞在ビザ。年間を通して温暖で、英語が広く使われているマレーシアは11年連続で日本人の「ロングステイ希望滞在国」1位に選ばれている(ロングステイ財団調べ)。

2005年|サイド・シラジュディン国王が日本を訪問。東京国際映画祭にて、ヤスミン監督作品 『細い目』が最優秀アジア映画賞を受賞

2006年|天皇皇后両陛下がマレーシアを訪問。日マレーシア経済連携協定(EPA)発効

2010年|「日・マレーシア環境エネルギー 協力イニシアティブ」を発表

2011年|マレーシア日本国際工科院 (MJIIT:Malaysia-Japan International Institute of Technology)開校

2012年|アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー国王、 日本訪問

2015年|「戦略的パートナーシップについての 日マレーシア共同声明」を発出

2016年|「ミシュランガイド」3つ星の 東京「鮨さいとう」が、 クアラルンプールに出店

2017年|皇太子殿下マレーシア訪問


エンタメも、日本とマレーシアの関係は深い!

1980年代から日本のドラマやアニメ、J-Pop、映画など、ポップカルチャーの人気が上昇。日本のドラマ「おしん」や日本を代表する漫画「ドラえもん」「ウルトラマン」「naruto」「ワンピース」などは広く浸透している。2000年頃には、日本人歌手「宇多田ヒカル」や「kiroro」が人気になった。


Hati Malaysia 協力事業

2014年|マレーシア文化通信『WAU』創刊。伝統音楽家「カムルル・フシン」来日公演

2015年|「マレーシア映画ウィーク」開催。伝統芸能の語り部「Awang Batil」と 「Tarik Selampit 」来日公演

2016年|第1回「マレーシアごはん祭り」開催


マレーシアBasic Information

人口:3208万人(2017)

民族比率は67%がブミプトラ(マレー系とその他の先住諸民族)、25%が華人系、7%がインド系、その他1%。この民族比率はあくまでもマレーシア国民の中での比率であり、外国人は含まれていない。日本:1億2674万人(2017)

面積:33万290 km²

国土はマレー半島とボルネオ島の一部の2つのエリアから成り立っている。面積の60%が熱帯雨林のジャングルで、とくにボルネオ島の国立公園は壮大。日本:37万8,000km²

宗教:国教はイスラム教

宗教の自由を認めているため、イスラム教徒以外にも、仏教徒、ヒンズー教徒、キリスト教徒、シーク教徒など。イスラム教徒はスンナ派が圧倒的多数。 日本:神道、仏教、キリスト教など

1人あたりGDP:9768米ドル(2016)

2014年に原油価格が下落し、産油国であるマレーシア経済は打撃を受けた。ただし、近年の増加した中間層や富裕層の消費活動は好調を維持。 日本:34,629米ドル(2016)


イラスト:村手景子  keikomurate.com

[この記事はWAU No.13(2017年9月号)から転載しています。]

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