映画FILM

銀幕の精神#3 One Two Jaga

現実と虚構の十字路 One Two Jaga(それぞれの正義)

 国の命運を危惧するアーティストたちは「危険人物」である。——そう多くの政治家は考えているかもしれません。もし、それが事実であるとすれば、映画監督であるナムロン氏はマレーシアで最も危険な人物、ということになるでしょう。ナムロン監督の『One Two Jaga*』(2018年)は、物価が上昇する中、低賃金で働き、社会的、倫理的問題が連鎖的に高まっていると監督が考えるマレーシア警察官の生活への憂慮から始まりました。

『One Two Jaga』では、汚職にまみれたベテラン警官の相方となった新米警官の目を通して見た、首都クアラルンプールにおける複雑な人間模様が描かれています。強い正義感を持って任務につく彼は、厳しい都会での生活を生き残るためになんでもする犯罪者たちと、賄賂に手を染める警官、法の両側にいる多様な人物の間で葛藤していくのです。

役者としても登場するナムロン監督(左)と汚職警官役のチュウ・キンワー

大きなゲームの駒となるベテラン警官役のDr. ロスディーン(左)と新米警官を演じるザヒリル

この作品には、東南アジアで今最も素晴らしい役者たちがキャストとして参加しています。マレーシアからは、ザヒリル・アジム、ロスディーン・スボー、アメルル・アフェンディ、チュウ・キンワー、イディル・プトラ、アズマン・ハッサン、ブロント・パラレが登場。インドネシアからは、アリオ・バユ、そしてフィリピンからはアスマラ・アビゲイルとティモシー・カスティーリョが参加しています。ナムロン監督はこの作品を通して、我々はみな相互に関わり合っているのだということを思い起こさせてくれます。誰が、何をしても、我々は運命共同体であり、国内であっても海外であっても、誰かが過ちをおかせば私たちは同じ運命をともにすることになるのです。

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