アート

絵葉書にみる、キャメロンハイランドの魅力

キャメロンハイランドに生息するラン、ウツボカズラ、トケイソウ、シダ植物のスケッチ

 町並みや建物、植物をスケッチし、友人あるいは自分自身へと郵送する「メール・アート(郵便アート)」。絵を描き、切手を貼り、投函。郵便局員によって消印が押され、手元に届けられる。その過程すべてがアートとなるのです。絵葉書とは、旅の記憶であり、日常生活の記録。

「私の絵葉書は“移動するギャラリー〞」と語るマレーシアの絵葉書作家マルニさんから届いたのは、彼女の故郷、キャメロンハイランドの風景。生物多様性に富む雄大な自然を誇り、美しい花々が咲く高原。標高1500mを超える高原は年中気温が20度前後と冷涼で、英国植民地時代にイギリス人官僚らの高原避暑地として別荘が建てられました。現在でも英国風建築とガーデンが当時の雰囲気をたたえています。

マルニさんがよく描くのは、歴史的な建物や伝統文化を感じられるもの、そして鮮やかな植物。ラン科の花々にウツボカズラ、トケイソウ、そしてシダ植物など、キャメロンハイランドでよく見られるものから、世界最大の花として知られる希少なラフレシアまで様々。一枚の葉書に描かれた花々は、カラフルでありながら、自然の風合いに満ちた落ち着いた色合い。「絵葉書は、人と人をつなぐコミュニケーションツール」と考えるマルニさん、高原の魅力的な植物の絵が、彼女の愛する花々の美しさや自然保護への気づきにつながることも願っているそうです。

文/上原亜季 Aki Uehara
イラスト・取材協力/Marni Zainodin


Marni Zainodin

マルニ・ザイノディン

絵葉書作家、イラストレーター。2009年、メール・アートとしてポストカードに絵を描き始める。日本での制作経験もある。ペナン島のトロピカルスパイスガーデンや書店、雑貨店などで購入可。

https://www.facebook.com/marnipostcard/


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