去る7月、今年21年目を迎え、20カ国以上から素晴らしい演奏家が集結した「レインフォレスト・ワールド・ミュージック・フェスティバル」を取材しました。
日中は、ミニセッションやワークショップが開催され、世界各地の楽器を分類別に比較しながら見聞きしたり、多様な民謡や歌唱を体感。子供向けのセッションや映画上映会のほか、ボルネオ島のビーズアクセサリー、籠細工、布などの伝統工芸品の販売もありました。
ハイライトは、夜の野外ステージにおける演奏。ボルネオの森林、大地、精霊たちに捧げるようなサラワクの伝統芸能家たちのステージから始まり、韓国の農楽などをベースにした若者グループ「Naedrum」の洗練された動きと演奏が続きます。大型の竹楽器やドラムを用いて伝統的なリズムにのせながらレゲエやロック調で会場を湧かせたソロモン諸島の「Warato’o」も圧巻。ロシアの女性ボーカルバンド「Oyme」はポリフォニックな歌声で、どこか儀式的な美しさと怖さが共存するステージは見知らぬロシアの音楽シーンを想像させます。インドからの「Raghu Dixit Project」は、ステージ下で踊りまくる会場いっぱいの聴衆をひとまとめに集中させて離さない。また、個人的にとても魅せられたのはポーランドの弦楽五重奏「VOLOSI」。とにかく激しくカッコ良い演奏から目が離せませんでした。日本からもアフリカの親指ピアノと南九州の板三味線・ゴッタンの演奏家、サカキマンゴーさんがメキシコ、韓国の演奏家とともに「クアトロ・ミニマル」として参加していました。
マレーシアの伝統芸能だけでなく、旬なアーティストにも出会える貴重なフェスティバル。2019年も7月に開催予定。ぜひこのフェスティバルを目指してサラワク州都クチンを訪れてみてください!
Rainforest World Music Festival http://rwmf.net
文/写真・上原亜季 Aki Uehara