今回、サラワクの取材で出会った音楽バンド「Meruked」。バンドを率いるボーカルのアッシュは、地元の音楽シーンを盛り上げたいと活動中。クチンのアートスペース「HAUS」にも携わる彼が熱い想いを届けてくれました。
2016年、サラワクの文化を活かした音楽を作るためにボーカル、アコースティックギター、ベース、パーカッションにサラワクの伝統弦楽器「サペ」を加えて結成された新しいバンド「Meruked」。20代半ばの若者たちが奏でるのは、モダンでトラディショナルな音楽。伝統的な音楽の要素やボルネオ島の自然を感じさせる音を取り入れつつも、今っぽくて格好良く、どこかオシャレなサウンドを目指す彼ら。2017年には、クアラルンプール、ペナン島、ジョホール州など、西マレーシアでの演奏の機会にも恵まれたほか、ラジオにも出演するなど国内各地で活動が広がりつつあります。
先住民「オラン・ウル」のサペ奏者ギデオンは、14歳の頃にクチンの国際音楽祭で見たサペの演奏に感銘を受け、幼い頃から自宅の壁に飾られていたサペを手に取り、彼がサペ界のレジェンドと呼ぶマシュー・ンガウの演奏をYouTubeで何度も見て、独学で演奏を始めたといいます。結婚式や様々なイベントに招かれて演奏をしてきたギデオン。「サペは、今は亡き母が遺してくれた贈り物であった」と語ってくれました。
Meruked(メルケッド)
バンド名の「Meruked」には“Everlasting”(永遠に続く) という想いが込められている。 最新ニュースやライブの情報は下記SNSサイトをチェック。
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HAUS KCH
クチンの音楽、アート、クリエイティブな活動を支えるコミュニティー・ハブ
文・上原亜季 Aki Uehara photo courtesy of Meruked
[この記事はWAU No.16(2018年6月号)から転載しています。]