建築

ボルネオ先住民のロングハウスを訪問

ロングハウスは、村人や親戚など互いに縁のある家族がともに暮らす集合住居です。ボルネオに暮らす多くの先住民族(イバン族、カヤン族、クニャ族、ダヤク族、ルングス族など)が伝統的にロングハウスで暮らしています。しかし近年、生活スタイルの変化や政府の指導により数が減少。サバ州にあるルングス族のロングハウス保護区を訪ねました。


あたり一面が緑のサバ州の奥地 Bavanggazo。ここに見学ができるロングハウスがあります。

コタキナバル中心地から車で約2時間の山のなかにある
1992年まで実際に住居として使われていた建物
地面から約3メートルの長い杭の上に床。風通しがよく、洪水や動物から身を守ってくれる

ロングハウスは、地域の森の木で建てられています。幅は狭く、奥に長く続いていて、それぞれファミリー部屋、みんなが過ごすオープンな廊下の2つの空間で成り立っています。

左側が家族の部屋で扉付き、右側がオープンな共有スペース

案内してくれたのは、ここで実際に暮らしていたルングス族のドリオスさん。現在は、隣のモダンな住居で家族と生活。「今の子どもたちは個室が欲しいからね」とぽつり。というのも通常ロングハウスは、1つの部屋を1つの家族で使うので、子ども部屋はありません。また、男子は成人すると、家族の部屋ではなく共有スペースで寝るのが習慣、とのこと。

部屋は6畳ほどの広さで、ここで家族みんなで暮らす。床は竹製、壁は木の皮で作られている
屋根はニッパヤシの葉。だいたい2年ごとに交換が必要

部屋に入ると、入口の横に棚状の小さなスペースがあり、ここがキッチン。1番下が火を炊く場所で、上の段には、竹製の水筒やココナッツの殻のコップなど自然の素材で作られた食器が並んでいました。火をおこすのは朝と晩。外出時にはかならず火が消えているかを確認していた、とドリオスさん。木製のロングハウスは火事に弱く、政府がロングハウスの取りやめを提唱する理由のひとつは火事の防止です。

棚の左下、丸い石が置かれている場所が焚火場。川で魚がたくさんとれたときは、燻製にして保存することもあった
竹製の床はしなやかで、すこしたわむ。そこを慣れた足取りのドリオスさんを見ると、ここで暮らしていたのだなぁと実感。ちなみにドリオスとは本名ではなく村のニックネーム

おもしろかったのが、部屋と屋根のすき間を指差して「あのすき間は危険ね。閉じておかないと、別の家の子どもが上って来ちゃう」というドリオスさんの思い出話し。木登りならぬ、壁のぼり。高さは約2メートルでけっこう高い。木の段差や平衡感覚が大事なロングハウスで暮らすと、身体能力が高くなるようです。

共有スペースには伝統楽器が展示されていた。祭事で使用する「ゴン」という銅製のドラ

また、ロングハウスの隣には、ルングス族の伝統工芸のショップがあります。美しい細工の伝統布、ビーズアクセサリー。300年前に作られたという女性用の銅製の首飾り(重い!)もありました。

森のなかで、森とともに暮らしていた先住民の生活が体感できる、ひじょうに貴重な場所です。

■情報

施設名:Bavanggazo Rungus Longhouse KUDAT
住所:Kg. Bavanggazo Rungus Longhouse 89050 Kudat, Sabah 
入場料:RM5
施設のFBはこちら 
サバ観光局のサイトはこちら
※宿泊プランの提供もあり

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