ペナン島を舞台に描かれた日本とマレーシアの合作映画『天使の集まる島』が、2025年8月29日より公開されます。日本からは主演の青木柚のほか、さとうほなみ、福地桃子、マレーシアからはジャド・ヒダーなど、今注目を集める若手キャストが参加。言語の壁を越えて、日英両言語で製作されました。「自分自身を諦めないこと」をテーマに描かれた本作に込められた想いと、ペナン島の魅力を堀井綾香監督に聞きました。
物語のはじめ、病院での闘病生活を送る主人公の青年・聡太郎(青木柚)は、病院の屋上で目を閉じながらラジオの音に耳を傾け、異国に想いを馳せます。目を開けると、そこは “異国の島”。聡太郎の「空想の旅」の始まりです。
聡太郎は、カラフルなショップハウスが並ぶ通りを歩き、カルチャー・マーケットで若者たちのエネルギーに触れ、天使と呼ばれる女性ミミ(さとうほなみ)と、彼女を愛する男性・ダニエル(ジャド・ヒダー)と出会い、日本とは異なる食を体験することで、自分自身の内面に意識を向けていきます。

人に元気を与えような
活力に満ちたペナン島で撮影を
ロケハンで初めてペナン島を訪れた堀井監督は、「闘病生活が続く主人公が飛び出して行きたいと想い描く世界は、きっとこういう場所だと直感的に感じた」と語ります。
「ジョージタウンは、街を一周するだけで寺院やモスク、インド人街があり、ヨーロッパのような建築もある。景色がくるくると変化して、世界旅行をしているような気分を味わえます。そこに人種も言葉も宗教も異なる、いろんなバックグラウンドをもった人々が共生しています。街や人々のエネルギーを感じ、私自身が元気づけられました。自分の気持ちが落ち込んだら、ここに来たいと思えるような場所。主人公だけでなく、この作品を観る人も含め、私たちが思い描く理想や希望も表現できる場所はここしかないと感じました」
と、色彩あふれる街並みを歩くことで、ペナン島で撮影するための“説得力”を感じたそうです。監督にとって最も印象に残っているシーンのひとつは、街を一望できるペナン・ヒルでのシーンで、物語の中でも印象的に描かれています。ペナンの特徴的なショップハウスや、マーケット、ペナンの食がハイライトされたコピティアムについては、ロケ地紹介の記事で詳しく紹介しましょう。
日マのキャストによる
多言語での表現にみる、リアルさ
主人公・聡太郎は空想の旅で元気をもらい、その後の人生に活かせるような「何か」を受け取って現実の世界に戻っていきます。とくにダニエルと天使・ミミとの出会いは、聡太郎にとって自分を振り返る大切な時間となります。端正な佇まいに、思慮深い雰囲気が印象的なダニエル役をマレーシアの俳優ジャド・ヒダーが好演しています。

「ジャドさんはまじめな方で、雰囲気も芝居もダニエルというキャラクターにマッチしていました。役について深く掘り下げて撮影に臨み、現場でも相談してくれました。ダニエルには、ジャドさんがもつ素のチャーミングさが活かされています」と、堀井監督。マレーシア現地での魅力あふれる役者との出会いが、本作をより深みのある作品にしたようです。
興味深いのは、劇中、聡太郎とダニエルが日本語と英語、それぞれの言語で会話をすること。それが自然でリアルに映るのは、マレーシア現地では複数の言語が飛び交い、対話の相手とは異なる言語で返事を返す様子がよく見られるからです。

外の世界、人との出会いが
希望をもたらしてくれる
外の世界に飛び出すこと、人との出会いが、時に私たちに「希望」や「変化」をもたらしてくれる。そんな物語を描いた堀井監督自身は、かつてミニシアターで働きながら、様々な映画人と出会ったことや、世界中にある素晴らしい映画に触れた経験が映画製作の道を歩むきっかけになっているそうです。
インターネットを通じて世界中の人々とつながることができる現代。世界は広がっても、その中でより孤独を感じたり、心が疲れてしまうことも多い現代。
「ちょっぴり現実から離れて、一緒に空想の旅を楽しんでほしい。映画を観ること自体が一種の逃避体験。ちょっと一息ついて、また現実に戻るような体験をしてもらえたら。」
「カラフルな世界で、聡太郎はビターな気持ちを抱えている。なぜ、この場所でこの人はこんなに暗い顔をしているんだろう。その落差、アンバランスさ、『ずっと一人だった』とはどういうことなのか考えることが、この作品の入口になるかもしれません」
と堀井監督は語ってくれました。人生に行き詰った時、日常から飛び出したくなった時、遠くに想いを馳せてみる。そんな一歩を踏み出すきっかけを与えてくれるような作品です。ぜひ劇場でご覧ください。そして、いつか実際にペナン島を訪れてみてください。
◆映画『天使の集まる島』STORY
「ずっと一人。これまでも、これからも…」闘病生活を送る青年・聡太郎。いつものように病院の屋上で寝転が り、目を閉じる。ラジオから聞こえてくる不思議な音声に耳を傾け、ゆっくり目を開けると、そこはどこか知ら ない“異国の島”だった。その地で出会うのは、“天使”と呼ばれるミミと、彼女を愛するダニエルの二人。彼らと 行動を共にする中で、聡太郎は自分自身と向き合うことになるが——。
『天使の集まる島』予告編
公式サイト: 映画『天使の集まる島』公式サイト


◆映画『天使の集まる島』CREDIT
出演:青木柚 さとうほなみ ジャド・ヒダ― Jad Hidhir / 福地桃子
監督・編集・プロデュース:堀井綾香
プロデューサー:木村真奈美 脚本:川原杏奈 撮影:古屋幸一 録音/整音:Keefar スタイリスト:中村もやし ヘアメイク:くつみ綾音・鉢呂寿子
助監督:内田知樹 撮影助手:遠藤凌 カラーグレーディング:山田祐太 スチール:水島貴大 宣伝美術:神谷利男デザイン 宣伝協力:米澤あずさ 配給協力:イーチタイム
特別協力:Penang Heritage Trust 後援:マレーシア政府観光局
企画製作・配給宣伝:Nuiavan AB10 Company
©2025「天使の集まる島」製作委員会
2025年|日本・マレーシア|33分|言語:日本語、英語|字幕:英語、日本語|カラー
映画『天使の集まる島』
2025 年 8 月 29 日(金)より テアトル新宿 ほか全国順次公開決定!
日本×マレーシア合作映画『天使の集まる島』公開記念
\劇場鑑賞券付きランチイベント開催!/
劇場公開を記念して、映画の中でも印象的に描かれる“マレーシア料理”を実際に味わいながら、監督、プロデューサーによる撮影秘話、マレーシア文化メディア「Hati Malaysia」編集部によるマレーシアの様々なお話(”あの”有名なゴーストの話も!?)が聞ける、スペシャルなランチイベントを開催します!
本イベントには…
映画の劇場鑑賞券(1枚)
マレーシアのお土産
と豪華特典が付いています!
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イベント概要
日時:8月23日(土)12:00〜14:00(開場11:45頃)
場所:マレー・アジアン・クイジーン(渋谷)
https://www.malayasiancuisine.com
料金:お一人様 4,000円(税込・当日現金払い)
イベント内容
・マレーシアの国民食「ナシレマ」+ドリンク1杯
・監督×プロデューサー×Hati Malaysia編集部による撮影秘話やトーク
・マレーシアのお土産付き
・『天使の集まる島』劇場鑑賞券(1枚)
定員: 44名限定(要予約)
参加申し込みフォーム
https://forms.gle/4yDc45UcFV22cNWc7
※お一人ずつお申し込みをお願いします。
※締切は8/15 23:59となります。
注意事項
・8/15以降のキャンセルは、キャンセル料100%を頂戴しますのでご了承ください。
・劇場鑑賞券はイベント当日お渡しします。
・鑑賞券は舞台挨拶付き上映回では使用できません。
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