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音で訪ねるマレーシア#9 ペナン・ハウス・オブ・ミュージック [WAU No.22]

東西貿易の拠点として、古くから交易船が寄港し、欧州、中東、アジア各地から商人や移住者が集まったペナン島。この歴史的背景が、この土地の音楽を多様で豊かなものに発展させました。

今年9月、2016年にペナン島ジョージタウンのランドマーク「コムタ」に開設された音楽ギャラリー「ペナン・ハウス・オブ・ミュージック」を訪問しました。1940年代から1970年代までのペナン島のポピュラー音楽に焦点をあて、趣向を凝らした展示は、歴史的、文化的背景もわかりやすく解説されています。

 まずはソーシャルダンスの音楽「ロンゲン」、歌の掛け合い「ドンダン・サヤン」、ペナンを代表する歌の芸能「ボリア」、人形芝居「ポテヒ」など、音楽、芸能ジャンルの紹介から始まり、年代ごとに当時の音源や演奏に使われた楽器、写真、新聞の切り抜き、雑誌、ポスター、宣伝のビラなども飾られ、流行したポピュラー音楽の紹介が続きます。映画、ラジオ、テレビなどのメディアが商業的なポップミュージックの発展を加速させたことも資料から伝わってきます。展示室には、自ら音源を選択して聴くことができる視聴コーナーがいくつかあり、当時の歌や演奏を心ゆくまで楽しめます。

 P. ラムリーなど、ペナンを代表する音楽家の壁一面に描かれた肖像画には、最新のAR(拡張現実)技術が組み込まれ、手元のスマートフォンにアプリを入れると各ミュージシャンの音源を再生できるのです。VR(仮想現実)体験コーナーでは、歌とピアノのライブが目の前で始まったり、最新技術も取り入れた展示は、インタラクティブな体験となり、来場者を飽きさせません。

 ラジオの収録ブースもあり、かつて活躍した機材が配され雰囲気を味わえるだけではなく、現代の技術を取り入れ、来場者自身のミニ番組を録音してインターネットにアップロードできるなど、DJ気分も味わえます。

 専門家向けには、資料室もあり、1950年代、60年代の音楽が大好きな私には、いくら時間があっても足りません。必ずやまた再訪することを誓って、展示室を後にしました。音楽愛好家の皆さんもぜひ一度訪ねてみてください。

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