映画FILM

マレーシア映画コラム#12 いま注目の若手監督 シャフィク・ユソフ[WAU No.28]

Syafiq Yusof, the Emerging Filmmaker

 今、マレーシアで新進気鋭の映画監督といえばシャフィク・ユソフ(Syafiq Yusof)でしょう。俳優で映画監督のユソフ・ハスラムを父に持つ第二世代のフィルムメーカーで、弱冠二十歳の時に『SAM: Saya Amat Mencintaimu』(2012)で長編監督デビュー。アクション・コメディ『Abang Long Fadil』(2014)シリーズで真の才能を開花させました。


 このシリーズ一作目では、人気コメディアンのジザン・ラザック演じる主人公ファディルが、故郷のベラニ村を支配するギャング組織と対決。ファディルは村を守るため、シラットの師範と共にギャング組織に立ち向かいます。続編である二作目では、悪名高きギャング、タイガーと勘違いされてしまうファディル。汚名を晴らそうと二作めもアクション満載の展開で、国内で興行収入1,800万リンギ(日本円で約4億7,600万円)を売り上げる大ヒット作になりました。
 
 

『Abang Long Fadil 2』では、Zizan Razak(右)とWak Doyok(左)が重要な役を演じる

 シャフィク監督は、マレーシア映画や海外の作品を数多く鑑賞することで映画製作のノウハウを学んだ、といいます。彼のコメディ映画は、近所で出会いそうな登場人物を起用し、どこにでもありそうなマレーシアの日常にアクションシーンを取り込んだり、世界的なヒット作をパロディとしてマレーシア人ウケするジョークとして盛り込み、マレーシア映画市場を沸かせています。

本作以降、大成功を収めた映画『Villa Nabila』(2015)、『Desolasi』(2016)、『KL Special Force』(2018)などを製作し、今後、『Abang Long Fadil  3』、大ヒットシリーズ『Polis Evo  3』を含む3作品が公開予定! これからもますます目が離せない注目の映画監督です。

『Abang Long Fadil(邦題:カンフー・マフィア)』一作目は、Amazon Prime Video、TSUTAYA TV、U-NEXTなどで配信中(日本語字幕付き)。マレーシアではNetflixでも視聴可

文/A・サマッド・ハッサン A Samad Hassan
翻訳/上原亜季 Aki Uehara


A・サマッド・ハッサン

マレーシアの映画製作者として受賞歴のあるインディーズ作品から大ヒット作まで約100の長編映画製作に携わる。非常勤講師のかたわら映画やマレーシア文化、黒魔術などについて講演もする。神戸にて留学経験があり、オヤジギャグを愛する。

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