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ボルネオ島の秘境:クラビット高原 [WAU No.28]

The Kelabit Highlands in Borneo

高台から見渡すバリオの水田。山々に囲まれた黄金の大地は両手を広げて胸に抱きたくなるような美しさ

ボルネオ島北東部のクラビット高原はバラム川の源流域で、バラム川河口にある都市ミリからプロペラ機(ツイン・オッター)で約1時間。カリマンタン側のインドネシアとの国境に近い内陸部です。標高1000mを超え、世界的に珍しい動植物が生息する高地熱帯雨林。そのため日中は気温が26度ほどでも、朝夕は10度前後まで気温が下がります。


 ここは、陸稲栽培、狩猟、採集を生業としてきた先住民族「クラビット」の故郷です。クラビットの人々がつくる、良質なバリオの塩「バリオソルト」。高原の塩泉から採取した塩水を平釜で煮詰め、結晶化した塩を竹筒に詰めて炭火で焼く、伝統的な製塩法で作られる希少な山の塩です。塩味は控えめでまろやか。そしてミネラルが豊富な塩は、古くから大切な交易品であり、現在も特産品として有名です。


 東南アジアで最高級とも言われる米「バリオライス」やパイナップルをはじめ、多様な農産物の生産地であるこの地。山々に囲まれた水田の稲穂が風に揺れる様子は美しく、雲に抱かれた緑の丘は、まさにボルネオの桃源郷です。
 村人同士でも、外部からの訪問者でも温かく迎え入れてくれる「千の握手の土地」と表現されるクラビットの人々。現地を訪れ、ともに美しい景色を眺めることができる日を夢見ています。

クラビット高原への玄関口、バリオ空港
塩泉から採取した塩水を煮詰めて作る伝統的なバリオソルト
炊事場の木製の壁は、調理の煙で燻され真っ黒。葉っぱで包まれたバリオソルトが吊られている

写真提供/ Sarawak Tourism Board

文/上原亜季 Aki Uehara


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