映画FILM

銀幕の精神#13 仲間を救う壮大なミッション J2: J レトリビューション

J2: J Retribusi

ホテルでビジネス界からの引退会見を開いた裕福な実業家、ダト・ハシム。彼の隠し金を狙ったマフィアのタウフィックは、ハシムの娘ナディを人質にとり
会見現場を襲撃。特殊部隊出身でハシムのボディガードのジェイは、現場に居合わせたボクサーのチャンとホテルの支配人エミーとともに、幼い少女の救出へと乗り出します。

本作は、2017年、興行的に成功を収めた『J Revolusi』の続編のアクション映画。近年、『Sangkar』(2019)や『Hantu Kak Lima』(2018)などのヒット作を飛ばしてきた製作会社Infinitus Productionsが手がけました。
 

Zul Ariffin演じる主役のジェイ


 プロダクションデザイナーとして映画界での経験が長く、『Leftenan Adnan』(2000)や『Kala Malam Bulan Men
gambang』(2008)などの製作に携わったNazrul Asraff Mahzanと、興行的にもヒットした『Polis Evo』(2015)や『Tombiruo』(2017)の編集者、Nazim Shahのベテラン二人が監督を務めたことで、テンポの良いストーリー展開と見ごたえのあるアクションシーンが満載の作品になっています。


 また、香港のAndy Lauがプロデューサー、中国系のTeck Zee Tanが映像監督、そしてクロアチア人のLuka Kuncevicが音楽を担当するなど、多様なルーツをもつ人材が製作に参加したことで、多民族社会マレーシアの精神も反映された興味深い映画です。


 ただ、本作が、インドネシアのテレビドラマ界でも人気を誇った若きマレーシア人俳優Ashraf Sinclairの遺作となったことは、悔やまれてなりません。

タウフィック役の故Ashraf Sinclair(写真中央)

文/A・サマッド・ハッサン A Samad Hassan
翻訳/上原亜季 Aki Uehara


A・サマッド・ハッサン

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