マレーシアは名建築の宝箱。熱帯の気候、多民族のおりなす文化的な多彩さ、また施主と建設技術者の奮闘は、多くの魅力ある建築を生み出しました。それぞれの建物にはマレーシアの社会や歴史、日々の暮らしがよく表れています。また著しい経済成長は、新しい建築を次々に生み出しています。
ここでは、マレーシアの建築の魅力とともに、それぞれが建てられた時代や背景、その見どころに迫りたいと思います。
その7 ケリー城:ウィリアムの夢、未完の城
名称:ケリー城 (Kellie’s Castle)
用途:居宅
設計:不詳。施主による
位置:Jalan Gopeng, 31000 Batu Gajah, Perak
竣工:1915年(一部)
面積:3階建て(塔屋あり)、地下部あり
構造:煉瓦造
丘の上の城
マレー半島西海岸。ペラ州の州都イポーの街から、車で30分余り。途中、落花生で有名な街を通り抜けた先にケリー城(Kellie’s Castle)はみえてきます。周囲は見渡す限り、油ヤシのプランテーション。小さな川のほとりから立ち上がる小高い丘の上に屹立しています。
城の外観は、ゴツゴツした赤茶けた煉瓦の壁に、骨太の柱がたっています。壁には様々な形のアーチ。頂部にはマレーシアの国旗がはためいています。
なぜ、ここにこの城は建てられたのだろうでしょうか。この城に住んだ人々は、どんな暮らしをしていたのでしょう。この城は、当初、単に「ハウス」と呼ばれていたそうですが、後に、ケリー城と呼ばれるようになったそうです。不思議で奇妙な噂をともなって。
写真、イラスト:宇高雄志
※ 【短縮版】 本記事は期間限定公開につき、2024年8月18日にて第7回「ケリー城」本編公開を終了し、以降「短縮版」として掲載しております。
宇高 雄志(うたか・ゆうし) 兵庫県立大学・環境人間学部・教授
建築学を専攻。広島大学で勤務。その間、シンガポール国立大学、マレーシア科学大学にて研究員。その後、現職。マレーシアの多様な民族の文化のおりなす建築の多彩さに魅かれています。なによりも家族のように思える人のつながりが宝です。(Web:https://sites.google.com/site/yushiutakaweb)
建物によっては一般公開されていない部分もあります。ご訪問の際には事前に訪問先の各種情報をご確認ください。
※ 本コラム「マレーシア名建築さんぽ」(著者:宇高雄志)は、最新版のみ期間限定掲載となります。写真、イラスト等を、権利者である著者の許可なく複製、転用、販売などの二次使用は固くお断りします。
*This column, “Malaysia’s Masterpieces of Architecture” (author: Prof. Yushi Utaka) will be posted only for a limited period of time. Secondary use of photographs, illustrations, etc., including reproduction, conversion, sale, etc., without the permission of the author, who holds the rights, is strictly prohibited.