マレーシア料理に必須のココナッツミルク、日本料理に欠かせないしょうゆ。 お互いの“故郷の味”といえるこの2つの食品に注目し、味の特徴や製造工程、料理での使い方を徹底比較しました。

ココナッツミルクとは

日本で販売しているマレーシア産のココナッツミルク「AYAM」。ココナッツエキス82%の「ココナッツミルク プレミアム」や100%「ココナッツクリーム プレミアム」など、濃度の違う3種の商品をそろえるこだわり。Amazonなどで購入可。

高さ30メートルにもなる高木のココヤシ。その木の実をココナッツといいます。熟したココナッツの白い胚乳をすりおろし、水と一緒に絞ったものがココナッツミルク。マレー語はSantan Kelapa(サンタン・クラパ)です。まろやかな風味、甘い香りが特徴で、カレーなど香辛料のきいた料理と相性がよく、スイーツでもよく使われます。南太平洋のサモアから東南アジア一帯、インド南部などの地域でも使用され、マレーシアではココナッツの木が庭に生えている家があるほど身近な食材。また、スーパーや市場では長期保存ができる缶詰タイプも販売しています。酸化が早いので、封を開けたら、すぐに使い切るのが鉄則です。

しょうゆとは

しょうゆは漢字で「醤油」。醤油の生産メーカーは日本全国にあり、大手5社がシェアの7割以上を占めている。

大豆と小麦をおもな原料とし、麹(こうじ)を加えた醸造技術で発酵させてつくる液体調味料です。うま味、芳ばしい香り、味に深みを加える塩気があり、さらさらの液体で、透明感のある赤橙色をしています。ジャン・醤(ひしお)と呼ばれる中国の調味料から発展したとされ、今でも中国などの東アジアや東南アジアの地域で広く使われています。マレー語はKicap(キチャップ)です。製造工程により、濃口・淡口・たまり・再仕込み・白の5種類あり、地域によっても味が微妙に違います。九州の甘いさしみ醤油は有名です。封を開けたら、できるだけ空気に触れないよう密閉性のある容器に移し替え、冷暗所で保存しましょう。



クロスカルチャー:故郷の味 アレンジ・レシピ

ひろみ流 アジアの香りがする和菓子 Coconut Milk Mochi (4個分)

トロピカル・ココナッツミルク餅

ココナッツミルク(120ml)に、砂糖(大さじ1)、塩(ひとつまみ)、カルダモン(1個、皮をむいて軽くつぶす)を入れ、600wのレンジで30秒。耐熱ボールに道明寺粉(ピンク100g)を入れ、先ほどのココナッツミルクを混ぜラップをして600wで2分。かき混ぜる。この工程をもう1回くり返し、蒸らす。ココナッツミルク(30ml)と好みのドライフルーツを加えて冷蔵庫で5分。4等分にして直径5cmの丸型に広げ、1個につき餡(25g)を包む。

「ココナッツミルクを使ったアジアのカレーが大好きで、家でもよく作ります。製氷機で凍らせて保存すれば、使いたい分だけ取り出せて便利です。脂肪分の多いクリーム部分を使いたい場合は、ジップロックに入れ、立てて冷凍すると、上にクリームが溜まるのでおすすめです」

岡安洋美 Hiromi Okayasu / 料理研究家、フードコーディネーター。料理教室「romiromi made」では、ハーブやスパイスを使った身体の中からキレイになれるメニューを提案。アジア料理から西洋料理まで幅広い知識をもち、フードスタイリング、ハラール料理アドバイザー、フィトセラピストとしても活躍している。instagram : romiromi _made


ジャンナ流 ピリ辛つけダレ Sambal Kicap

しょうゆサンバル

黒糖(大さじ1/2)をお湯(大さじ1)で溶かし、そこに、しょうゆ(大さじ1)、酢(大さじ1/2)、生とうがらしのみじん切り(2本)を加えて混ぜる。とうがらしはシシトウでも代用可。すぐに食べてもいいが、30分ほど漬けこむと、しょうゆにとうがらしの辛味がしみ出し、辛味が増す。とうがらしは食べてもいいし、食べてなくてもOK。焼き魚のつけダレにしたり、冷奴にのせてもおいしい。

「普段の料理にしょうゆをよく使います。日本のしょうゆは、マレーシアのKicap Masin(キチャップ・マシン)に似ていますが、最初に食べたときは苦みが強くて、しょっぱ過ぎる、と感じました。でも今はすっかり慣れて、日本で生まれ育った子どもたちは、どちらも大好きです」

ヌル・ジャンナ・ウスマン Noor Jannah Usman / 日本在住18年のマレーシア人。妊娠をきっかけに野菜料理に目覚め、ベジタリアン・ラクサを考案するなど、ヘルシーなマレーシア料理を提案。「昔のマレーシア料理は野菜を使ったものが多く、大豆、米、しょうゆを多用する和食と似た料理も多いんですよ」とジャンナさん。料理教室「タダク」にて、自宅でマレーシア料理を教えている。



ココナッツミルクを使った マレーシア料理

ナシレマッ Nasi Lemak

マレーシアで人気No.1の「ナシレマッ」は、ココナッツミルクで炊いたご飯に、甘辛のサンバルソースを混ぜて食べる料理。ふわっと漂うココナッツミルクの甘い香りに、とうがらしの辛味を合わせるという絶妙な味のコラボで、日本人もハマる料理です

ボボチャチャ Bubur Cha Cha

マレーシアのおやつの多くは、ココナッツミルクを使っています。「ボボチャチャ」は、サツマイモやサゴパールを具にしたココナッツミルクのお汁粉のようなもの。ココナッツミルクは日持ちがしないため、その日に食べ切るおやつが多いです


カヤジャム Kaya Jam

ココナッツミルクと卵を低温でじっくり煮つめた「カヤジャム」。カスタードクリームに似た甘いジャムで、カリカリに焼いたトーストにバターと一緒に塗って食べます。マレーシアの朝食に欠かせないもので、マレーシア人の自宅の冷蔵庫にはほぼ常備されています


カレー、ルンダン Kari, Rendang

「カレー」や「ルンダン」などのスパイスを使った煮込み料理には、味のまとめ役としてココナッツミルクがよく使われています。料理にコクや深みを加え、とうがらしの辛みをマイルドにする効果があるため、マレーシアのカレーに激辛なものはあまりありません

しょうゆを使った 日本料理

寿司 Sushi

海外でも人気が高まっている寿司。にぎり寿司、ちらし寿司、巻き寿司と色々な寿司がありますが、どれもしょうゆが欠かせません。刺身も同様です。寿司のおいしさはしょうゆが左右する、という人もいるほどです。ただし、しょうゆのつけ過ぎには注意しましょう

親子丼 Oyako Don(chicken & egg rice bowl)

丼にご飯を盛り、その上に具をのせた「丼もの」。鶏肉を卵でとじた「親子丼」、刺身を散らした「海鮮丼」、かば焼きにした鰻をのせた「鰻丼」、天ぷらを盛った「天丼」など、どれも人気の和食です。具はすべてしょうゆで味付けされ、ご飯と醤油の相性の良さがわかります

肉じゃが Nikujaga(simmered meat & potatoes)

じゃがいもと肉を一緒に煮込んだ日本の家庭料理の代表「肉じゃが」。しょうゆ、酒、みりん、だしを加えて具を煮たもので、白いご飯がすすむ味です。そのほか、大根の煮もの、おでん、筑前煮など、和食の煮ものや惣菜には、ほぼ全てしょうゆが使われています

みたらし団子 Mitarashi Dango(rice dumplings in sweet soy sauce)

米粉をねって丸く成形し、ゆでた和菓子。もちっとした食感が特徴です。小豆の餡やよもぎなどいろんな味があり、なかでも人気なのが「みたらし団子」。砂糖で甘くしたしょうゆを塗り、炭火で芳ばしく焼き上げています。甘じょっぱい味が人気です