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Langkawi ランカウイの 自然に包まれ 生まれ変わる [WAU No.15記事]

海水と淡水が混ざり合う汽水域に生息するマングローブ林。そのなかをカヤックは進む

力強く命を育むマングローブ林、 あらゆる生命をつなぐ豊かな海、 真っ青な大空を優雅に舞うワシ。 自然保護のため、開発できる地域は 島全体の35%というランカウイで、 自然の鼓動に触れる旅をした。

ランカウイは、クアラルンプールから飛行機で約1時間。マレー半島西海岸に浮かぶ99の諸島のなかのひとつ。伝説がのこる神秘の島としても知られる。また、熱帯特有のマングローブ林など、地質学的に貴重な特徴がある地域として、2007年にユネスコのジオパークに認定。島全体が免税特区で、アジア各国のみならず、欧米からの観光客も多い。

生きものと共存する島

 マレーシアとタイの国境に近いランカウイ島。淡路島の3分の2の広さに、約1000種の生きものが暮らす生命の王国。島民の約9割をイスラム教徒であるマレー系民族が占めるため、島いちばんの繁華街でも、ネオンがキラキラした夜の町のような喧騒はなし。風がやさしくほおをなでる、自然と調和したのどかな時間が流れています。

 ランカウイの自然の源は、島の沿岸部に広がるマングローブ林にあります。「カニクイザル、カワセミ、ワシ、トビなどが生息していて、運がよければ、イルカやカワウソにも会えます。ここにいると、僕たち人間は、いろいろな生きものと共存しているんだ、という気持ちになるんです」と語るのは、ランカウイ在住16年のツアーオペレーター、タカさん。では、タカさんの案内で、マングローブ林にもっと近づいてみましょう。

カヤックで湿地帯の奥地へ

 桟橋に集合し、水上のカヤック発着場までボートで移動。そこでウエットスーツに着がえたら、カヤックに乗りこみます。タカさんの声がけどおりにおそるおそるパドルを動かすと、カヤックは素直に前に進みだしました。

 マングローブ林が生い茂る水路をすすみ、コウモリの洞窟へ。パドルが水面をはじく音が自然の静けさにのみ込まれていきます。そして時は流れ、ふと気づけば、水平線はオレンジ色の夕焼けに。それは、ため息がでるほど美しい景色。まるで絵画でした。水面のゆるやかな動きに共鳴して、カヤックが静かに揺れています。自然の鼓動のようなリズムにしばし身を委ねていると、オリのように溜まっていた無用な自尊心が、あたたかく溶け出し、消えていったのです。

カヤックでランカウイの自然を満喫

ランカウイとなまこ 

 さて、そんなランカウイの海の恵みは、人々の生活のなかに取り入れられています。それは、なまこを使った民間療法。なまこの主成分は、抗酸化作用や肌の潤いを守るといわれるコラーゲンやサポニン。マレーシア土産として人気のなまこ石けんは、もともとはランカウイで生まれたものです。

 「このあたりの海には、大昔から黄色いなまこが生息しています。薬効成分を豊富に含むことから〝黄金のなまこ〟といわれ、大事にされています」と教えてくれたのは、現地の店「ピサン」と提携し、日本で唯一、ランカウイ産のなまこ石けんの正規輸入・販売・展開を手がけている常峰さん。たとえば、お腹の調子が悪いときに服用する「なまこ水」、虫刺されやケガのときに肌に塗る「なまこオイル」、粉末のなまこを加えた「なまこクッキー」や「なまこ珈琲」。また、女性ホルモンに働きかける伝統の子宮マッサージにもなまこオイルが使われているのです。

ランカウイの人となまこは密接な関係にある

「ピサン」自社工房でのなまこ石けん作り方

石けんの材料をカクハンしながら遠火にかけ、よく混ぜる。次に、なまこ水、やぎミルク、ココナッツミルクを加え、さらに混ぜる。ていねいにろ過したら、専用の型に入れて5時間。常温で固めて完成。

 ランカウイの大自然に包まれていると、人間も自然の一部だ、ということを実感します。人間も自然に愛されている。ランカウイがそれを教えてくれるのです。


日本でなまこ石けんを扱う店
「BAKU インターナショナル」

日本の輸入許可をクリアしたなまこ石けんを販売。アトピーテスト、アレルギーテストも実施済み。洗顔後のつっぱりが無いと評判で、なかには「洗顔後の肌のツルツル感に驚き。今まで顔を洗っていなかったと思ったぐらいスッキリした!」という感想の人もいる。5個(各90g)セットで6500円。原材料全てにこだわった日本限定販売のなまこクリーム「namaco BODYエマルジョン」も大人気。https://malaysiaselection.com

天然の香料を加えたなまこ石けんは、とくに洗顔におすすめ。ピンク色はピンクプルメリアの香り付きで、肌のたるみ、乾燥、シミが気になる人へ、紫色のラベンダーはニキビや吹き出物が気になる人におすすめ。各7.9リンギット(Mサイズ)。そのほか、シアバター入り(RM8.9)もある。


ランカウイの伝統を今に伝える雑貨店
Pisang ピサン

マレーシアの伝統工芸品や土産物をあつかう1997年創業の店。バティックの布や絵画、ピューター製のマグカップ、天然石のアクセサリーのほか、なまこ石けん、なまこオイル、なまこクリーム、なまこボディーローション、ココナッツオイルなど、お土産用の可愛い小物から美容系まで、幅広い商品がそろう。

No.47, Jalan Pandak Mayah 5, Kuah, 07000 Langkawi, Kedah,  Malaysia.
電話:+60-49-611-731
時間:9:00〜18:00(金曜定休)


ランカウイで暮らす自然の達人
ランカウイ倶楽部  石井貴弘さん

「ランカウイ倶楽部のカヤックツアーは、自然に身を委ねるのが目的です。ですので、とくにゴールは決めず、たとえばセミが鳴き始めたら終了のように、その日の自然と相談してカスタマイズします。また、カヤックツアーの帰り道、闇夜にキラメクのは満点の星空。大げさではなく、宝石箱をひっくり返したような美しさです。この景色を見せたいです!」

ランカウイ倶楽部
http://langkawiclub.com

(ツアー例)「カヤック De ジャングル」RM350(約 10,300円)/ 所要時間 7時間 / 2名〜


[この記事はWAU No.15(2018年3月号)から転載しています。]

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