マレーシアのサバ州、ボルネオの海沿いにある町、コタキナバル。昔ながらの食堂が軒を連ねるのどかな町のなかで、異色を放っているのがレストラン「Oitom オイトム」。独自の世界観とレベルの高いシェフたちの技で、多くの美食家たちの心をとらえています。
2019年にオープンしたファインダイニング「オイトム」。地元の野菜や当日の朝に採れた魚を使い、西洋式のモダンなスタイルで仕立てた美しい皿が並びます。
さっそく、この日のコース料理を紹介しましょう。ウェルカムドリンクはグアバの発酵ドリンク。スターターは、海苔バターとブリオッシュ。すべて自家製です。
前菜は、トリュフソースのフライドチキン、キャビア添えのパールロブスターのタルト。そしてマレーシアの伝統菓子(クエローズ)に見たてたカリカリ食感のスナック。スナックは空洞で、そこに帆立のムースがたっぷり入っていました。地元で人気のハーブ、ブンガカンタンと呼ぶ、みょうがに似た花の香りをアクセントに効かせているのも特徴。
次は、“七星グルーパ”と呼ばれるハタを使った魚料理。4日間エイジングした刺身に、フレッシュなトマトとストロベリーのソースをかけて味わいます。
サバ州、クンダサンの農園から届いた13種の野菜プレート。かぼちゃ、玉ねぎ、キャベツ、ケール、マリーゴールドの花、ボタンマッシュルームなど。それらがグリル、フリッター、ピクルスなどそれぞれ調理され、さらにダックコンフィオイルと黄身を混ぜたソースにからめて食べます。
次は、サバ州のテノム地区農場で育った鶏肉。“コウジ”で漬け込んだ鶏肉に、アスパラガスと“ミソ”のソースをたっぷりかけて。
魚料理は、その日の朝に水揚げされた魚(メニュー名は“Ikejimme=イケジメ catch”)のグリル。ソースはムール貝とパクチョイ(チンゲン菜のような野菜)を使ったもの。ちりばめられているのは、キンレンカのパウダー。
そして、お待ちかねのデザートは、ストロベリーのアイスクリーム。下の層にキャラメル、セロリのコンポートがアクセント。
味もさることながら、見た目の美しさ、そして、それぞれ料理を担当するシェフがみずから皿を運んできてくれて、説明をしてくれるのも嬉しいポイント。メインシェフのラファエルさんにはお会いできませんでしたが、シェフチームのホスピタリティにも感動。
大満足、幸せなディナーでした!
2023年6月訪問
Season Tasting Course RM330
店情報
OITOM
Unit No B-1-12, Block B,1st Floor , Sutera Avenue, Lorong Lebuh Sutera, Off Jalan Coastal, 88100 Kota Kinabalu
Web https://www.oitomkk.com/