コタキナバルにある店「イーフン Yee Fung」は、1984年創業のラクサの名店です。
コタキナバルの中心地ガヤ通りにある「イーフン」は、アジアTOP50レストラン「ESSENCE OF ASIA」部門で2020年、2021年連続でランクインした名店です。
店の名物は「ラクサ Laksa」。創業時から提供している料理で、店主のChewさんが、同じボルネオで人気のサラワク・ラクサのレシピをベースに、独自のスパイスや食材を加えて考案したもの。オレンジ色のスープは一見辛そうに見えますが、トウガラシの辛さやスパイスの香りはほどよい程度。ココナッツミルクのまろやかなコクに、食べる直前にしぼる柑橘のカラマンシーの酸味であと味はすっきりと。辛さ、コク、酸味の全体のバランスがとれ、とても食べやすいラクサです。
このラクサ、朝食の定番で、みんな朝8時にもりもり食べています。朝にラクサなんて重そう……と思うかもしれませんが、食べてみたら、おおお、ありです! スパイスの香りが食欲をそそり、つるっとした麺は暑い気候によく合います。たぶんコタキナバル人にとってラクサは、具だくさん味噌汁のような感覚かもしれません。
もうひとつの人気メニューは「ニューチャップ・ドライミー Ngau Chap Dry Mee」。牛モツや肉団子が入ったスープと汁なし麺のコンビです。コリッとしたモツの食感に、牛の旨みがたっぷりしみ出たスープ、ほのかに八角などのスパイスが香ります。
満席の店内を見渡すと、次々に料理が運ばれ、お客さんはおいしそうに料理を食べています。混んでいるのですが、とても回転がよく、それは店のスタッフのキビキビした働きっぷりと、さっと食べて席を立つ常連さんによるもの。その絶妙なコンビネーションが日々の積み重ねで生みだされたようでした。
もうひとつ感激したのは、8年前にこの店にラクサを食べにきたときに働いていたお姉さんが今回も厨房にいたこと!
厨房は客席から丸見え。大きな寸胴が3つぐつぐつ煮込まれていました。そんな料理風景を眺めながら、麺をすすれば、より一層おいしくなり、そしてまた来るよ、と声をかけたくなるのです。
店情報
Kedai Kopi Yee Fung
27, Jalan Gaya, Pusat Bandar Kota Kinabalu, 88000 Kota Kinabalu, Sabah