インタビュー:駐日マレーシア大使 シャフリル・エフェンディ・アブドゥル・ガニー閣下
Interview with H.E. Dato’ Shahril Effendi Abd Ghany
100年の歴史を誇る「マレーシア農業、園芸&アグロツーリズム展示会(MAHA(*1))」が9月11日(水)〜22日(日)、マレーシアのクアラルンプール近郊で開催されます。マレーシア農業・食糧安全保障省 (*2)が企画・運営する本イベントは、農業や農産物のみならず、マレーシアの多様な食の提供や芸能の披露も。世界各地から人が集まるMAHAについて、駐日マレーシア大使、シャフリル・エフェンディ・アブドゥル・ガニー閣下に伺いました。
(*1) Malaysia Agriculture Horticulture & Agrotourism Show (*2) Ministry of Agriculture and Food Security (MAFS)
農業エキスポ MAHA(マハ)
日本のみなさん、こんにちは。国際農業見本市MAHAは、今年100周年を迎えます。2024年9月11日(水)から始まり、最初の3日間は、農業、家畜、水産業、園芸、アグロツーリズムなどの業界関係者向けのトレードショーです。展示、商談のほか、投資、ビジネスマッチングの機会が提供されます。続く9日間は、一般の来場者も楽しめる催しで、12日間で約300万人の来場者が見込まれています。
今年は「ゴー・グローバル」をテーマに、国際的に開かれたエキスポを目指し、日本を含め海外との関係を強化するプログラムになっています。農業分野での最先端技術や最新テクノロジーを誇る日本にとっても、世界にアピールするチャンスであり、国際的なプレゼンスを構築できる大切な機会になると思います。
MAHAの見どころ
会場はクアラルンプールから車で約40分のマレーシア・アグロ・エクスポジション・パーク・セルダン(MAEPS)。広大な敷地には6つの展示ゾーンが設けられます。なかでも、各州の特産品や食を紹介するパビリオンは見どころです。
たとえば、マレー半島北部のペナン州の名物料理はナシカンダー(カレーのせワンプレート飯)。ボルネオ島のサラワク州ではサラワク・ラクサが有名です。ほかにも東海岸のクランタン州、トレンガヌ州とすべての州に独特の郷土料理があり、各パビリオンでその年のおすすめが提供されます。MAHAではその多様な料理が一堂に集まっているので、さまざまな料理の食感、サイズ感、食べる時の音まで楽しみ、味わうことができます。
私は日本に住んで約2年になり、マレーシアのチキンライスが恋しいです。とくに鶏肉の旨みが凝縮されたスチームチキン(蒸し鶏)が好きです。マレーシアにはチキンライスの専門店が多くあり、互いにしのぎを削っておいしさを追求しています。そのため、マレーシアでは最高のチキンライスが食べられるのです。
そんな多様で魅力にあふれたマレーシア料理を日本の方にもっと知ってもらいたい。また、その可能性を理解し、一緒に広めてくれる日本の実業家の方々にもぜひMAHAに来ていただきたいです。
南国フルーツの宝庫
マレーシアはトロピカルフルーツもバラエティ豊かです。すでに日本にはマレーシア産のドリアン、ジャックフルーツ、パイナップル、マンゴスチンが輸出されています。さらにスイカ、グアバ、かぼちゃも新たに日本への輸出に向けて準備を進めています。日本のスイカが高品質なのはよく知っていますが、マレーシア産のスイカも負けていませんよ。MAHAでは、マレーシアのフルーツのおいしさを存分に味わうことができます。また、最近マレーシアでは、フルーツ農園を訪ねるアグロツーリズムが人気になっています。この点でも、果物狩りが人気の日本とマレーシアが互いに学びあえることは多いと思います。
伝統舞踊や芸能で周遊気分
さて、MAHAの各州のパビリオンでは、サバ州の伝統舞踊「スマザウダンス」、マラッカ出身のマレーシア人によるポルトガルダンス、大勢で一緒に踊るマレーの「ジョゲ・ランバク」など、さまざまな伝統舞踊や音楽を楽しむこともできます。異なるルーツをもつ芸能も披露され、多民族国家マレーシアならではの魅力を満喫できます。
日馬外交67年の歴史、さらなる発展を
マレーシアにとって日本は、独立以来の重要なパートナーです。たとえば、1982年に始まった「ルックイースト政策」を通じて、多くの留学生が日本で労働倫理や勤勉さを学びました。貿易相手国としても、日本は重要なパートナーです。
外交関係では人と人のつながりがとても大切です。2024年9月には、日本の大学として、海外で学位を取得できる日本初の分校、筑波大学のマレーシア校が開校されます。うれしいニュースです。
これまでの歴史の中で築いてきた日本とマレーシアの友好関係がMAHAを通じてさらに深まることを願っています。
最後になりますが、9月のマレーシアは、モンスーン前の過ごしやすい時期なので、マレーシア旅に最適です。このチャンスにぜひマレーシアを訪問してください。
MAHA2024 注目の8つのポイント
公式サイト:https://mahaofficial.my/