旅をするなら、その国らしさを満喫したいもの。それにはエリア選びが鍵。もぎたての完熟果物が味わえる話題のアグロツーリズムから、モスクが目の前のホテルステイなど、ここでしかできない体験が満載のエリア、セランゴール州を紹介します。
古都散策からモスク見学、果物狩りまで
クアラルンプール郊外に広がる広大なエリア、セランゴール州。え?セランゴール州って聞いたことがないな、と思ったあなた、もしクアラルンプールを旅したことがあるなら、きっと行ったことがあるはず。たとえば、ヒンドゥ教徒の聖地バトゥ洞窟、マレーシア最大級の規模と美しさを誇るブルーモスク。また、フォトジェニックスポットとして有名なスカイミラー。ご飯好きなら、バクテーの名店がずらっと並ぶクラン地区やサテーが名物のカジャン地区といったエリア名を聞いたことがある人もいるでしょう。さらに、蛍鑑賞で人気のクアラ・セランゴール。これらはぜんぶ!セランゴール州なのです。
文化、歴史、グルメ、自然、フォトジェニックスポット。マレーシアの魅力がぎゅっと詰まったエリア、それがセランゴール州です。今回は、日本でまだ知られていないセランゴール州の注目スポット、アグロツーリズムとカルチャースポットを紹介します。
もぎたての果物が味わえるファーム
コロナ禍の影響で、屋外のアクティビティが人気を集めているマレーシア。なかでも、都会の喧噪を離れ、大自然のなかでリラックスすることができる農園体験型ツアー「アグロツーリズム」がトレンド。植物や果物の生態系を学び、もぎたての完熟果物をその場で味わうこともできます。
広大な敷地を誇る「フルーツバリー」はココナッツ、ジャックフルーツ、グアヴァ、パイナップルなどフルーツの宝庫。季節によっては、高級ドリアン「猫山王 Musang King」の収穫風景を見ることもできます。
また、10種以上のパイナップルを栽培する「パイナップル・ファーム」は、2022年にオープンしたカフェが大人気。農園で収穫したパイナップルのなかで、人気の高い品種「MD2」のパイナップルを使ったカフェメニュー。甘さと酸味のバランスが絶妙の生しぼりジュース、衣をつけて揚げた「ナナス・ゴレン(ナナスとはパイナップルのこと)」、スパイスとパイナップルで味つけしたじゃがいもをサクサクの皮で包んだ「ナナス・カリーパフ」はマストトライ!
※ガイドの説明とフルーツの試食がセットになったパッケージツアーあり。事前の申し込みが必要。詳細は下記リンク先をどうぞ。
▶南国アグロツーリズム、マレーシア
クラン地区のヘリテージ・ウォーク
マレーシアの文化を体験したい方は、シャーアラム王宮やリトル・インディアをぐるりと巡る、ガイド付き「ロイヤルクラン・ヘリテージ・ウォーク」に参加してみましょう(現在コロナ禍の影響で中止。2023年4月15日より再開予定)。歩いて回れる距離に、モスク、ヒンドゥー寺院、教会が建ち並び、多民族・多宗教のマレーシアの世界を実感することができます。
オランアスリ博物館とマーメリ文化村
先住民族オランアスリの文化に触れることができる「オランアスリ博物館」も、セランゴール州の人気スポットです。約100年前まで、狩猟採集をおもな生業としていた森の民オランアスリ。彼らの生活用具、装飾品、楽器などが展示されており、またオランアスリ自身から、貴重な伝統工芸の技を学ぶこともできます。
また、多様なオランアスリのなかで、セノイ系マーメリ(マー・ムリとも表現)の集団に焦点をあてた「マーメリ文化村」にも注目。以前、WAUで紹介したユニークな彫像など彼らの独特の文化に触れることができます。精霊をモチーフにした彫像文化は、世界的にも評価が高いものです。
▶参考記事 WAU記事 変容する民族アイデンティティと受け継がる彫像文化・・・彫像に表現されるマー・ムリの世界はこちら
このように、見どころ満載のセランゴール州。これらのスポットはすべてクアラルンプール中心地から車で約1時間程度なので、クアラルンプールからの日帰り観光が可能。もしくは、セランゴール州のブルーモスクの前にあるホテルに1泊し、見どころをぐるっと回るショートトリップもおすすめです。
WAUおすすめプランを制作してみましたのでご参考まで。
神秘的な建築美と多民族文化を体験する 1Day Trip
土曜に出発! 宿泊は「コンコルドホテル・シャーアラム」
7:30 クアラルンプールより、セランゴール州の古都「クラン」へ。
↓タクシー or Grab(スマホで呼び出す民間タクシー)で約1時間
9:00 ガイドツアー「ロイヤルクラン・ヘリテージ・ウォーク(要予約)」に参加。
↓ツアー所要時間は約2時間半で徒歩で巡る。その後バクテー店へ移動(Grabでの移動がベター)。
12:00 昼食、豚の漢方煮込み「バクテー」を食べる。「宝香」「毛山稿肉骨茶」など名店多数。
↓汁無し、濃厚な味、部位ごとに注文するのがクランスタイル。ほかにスープスタイルも人気。
13:30 オランアスリ博物館へ。先住民族の文化を体験。
↓タクシー or Grabd約1時間。見学時間は約1.5~2時間
16:30 ブルーモスクが目の前のホテル「コンコルドホテル・シャーアラム」にチェックイン。
↓夕食まで部屋でゆっくり。部屋によっては、ベランダからモスクが見える。
18:00 ホテル、または近くのシーフードレストランで夕食(Grabで行き帰り)。
20:00 夜、ライトアップされたブルーモスクをゆっくりと眺める。
翌日・日曜
7:00 朝のモスクの周りを散歩。
7:30 スカイミラー(要予約※)へ出発。
↓タクシー or Grabで約1時間
9:00 ジェッティから撮影スポットへ。スタッフのアドバイスに従って写真撮影しよう。
※写真映えするようにカラフルな洋服を着ていこう。傘などの小物を持っていくのがおすすめ。
11:30 昼食、ジェティ近くの絶品「ナシレマッ」(マレーシアの国民食)で。
12:30 米博物館を見学(パディ・フィールド博物館)。
13:30 フルーツバーリへ
↓タクシ or Grabで約1時間
14:30 フルーツバーリーで果物体験。暑いので、水分補給は欠かさずに。南国果物の甘さや酸味、めずらしい食べ方を堪能しよう。
16:00 クアラルンプールへ
(※)スカイミラーは潮の満ち引きによって撮影できる時間が変化します。そのため、日によってはもっと早い出発時間になるなど、ボートの出る時間が変わるので事前チェックをお忘れなく。
みなさまのマレーシア旅が、思い出深いものになりますように!
写真提供・取材協力 セランゴール州政府観光局 Tourism Selangor