ごはんFOOD

伝統食レマン [WAU No.20]

ハリラヤの前日、カンポン(田舎町)ではレマンの仕込みをする。親戚や近所の人が集まり、一緒に調理
竹筒は立てた状態で、炭火で炙る。竹の表面の色が黒くなり、水分が出てこなくなったら完成

 ラマダン明けのお祭り「ハリラヤ」(▽P.8)の時期、路上に屋台が現れます。店先に並んでいるのは長さ50センチほどの竹筒。これは伝統食レマンです。ココナッツミルクに浸したもち米を中に入れ、炭火でおよそ4〜5時間。上下、裏表と火にあたる位置を変えながら、じっくり炊き上げます。米を焦がすことなく全体をうまく炊くのはかなりの熟練の技。そうやって炊きあげたレマンは、ふっくら、もちもち。煮こみ料理ルンダンとのコンビは、ハリラヤに欠かせないご馳走です。

竹筒のなかにバナナの葉を入れる。これは、竹筒にご飯が付くのを防ぎ、葉っぱの香りをご飯にまとわせるため

 このレマン、歴史をひもとくと、ボルネオ島サラワク州で暮らす先住民族の伝統料理に関係があるようです。彼らは米だけでなく、鶏や豚を調理するときにも竹筒を使います。味つけは塩だけのシンプルな料理ですが、蒸し焼きなので肉の味が濃く、とても美味。集落の近くにある森で調達できる竹筒は、自然がもたらした調理器具なのです。

フレッシュなココナッツミルクにもち米を浸す。十分に吸水したら塩をすこし加えて、竹筒に入れる

 レマンにまつわるこんな思い出話もあります。リムさんの実家近くの屋台では、レマンを一年中売っていたそうです。釣好きのリムさん、船に乗りこむ前にいつもレマンを一本購入。「持ち運びが便利だし、もち米だから腹持ちもいい。船の上で食べるレマンは最高だよ!」とのこと。お祭りの祝い料理、先住民族の伝統食、そして釣のおともに。レマンの人気は、今も続いています。

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