Georgetown, the Town Embraces Its History and Modernity
写真から音は聞こえてこない。音が無くても、町並みは賑やか。それがペナン島のジョージタウン。
看板には、英語、マレー語、中国語の漢字にアラビア文字。ごちゃごちゃとしているけれど、それは、この町に多様な文化的背景を持った人々が暮らしていることの表れ。そして、この雑多な感じが、歴史を悠然と物語る建築とともに町の雰囲気を作り出しています。
ショップハウスが両脇に立ち並ぶ道路を、駐車スペースを探しながら車が行き交う。建物と建物の隙間でビジネスを続ける小さな屋台の味を求めて。
夜に車を走らせると、この町の人々はいつ眠るのだろうか、といつも感じる。真夜中に行列ができる小さなカレー屋さん、シャッターを下ろした店が軒を連ねるショップハウスの一角に煌々と明かりを灯す屋台。24時間営業のナシカンダー食堂は、真夜中でも人々がコップ一杯の紅茶で延々と談笑しています。
近年、ショップハウスの改築、整備をして新しいブティックホテルやカフェが増えるジョージタウン。「魂が宿っているような古びた建築物に惹かれます。古い建物は、ピカピカに塗装を塗り替えられると、その魂が数年間は隠れてしまう気がします。塗装が少しはげたくらいがその建物の味を感じますね」と写真家のレオナルドさんは語ります。
写真/Leonard Selva(レオナルド・セルヴァ)
写真愛好家、音楽と歴史の教師。町の建物、人々の表情などを撮影。教会のパイプオルガン奏者であり、ジャズピアニスト
https://www.instagram.com/leonardselva
文/上原亜季 Aki Uehara